STEP 10 [資金運用計画表の作成]
資金運用計画表を作成する際には、「実績貸借対照表」と「財務分析表」、「過年度に作成した資金繰り表」を参考にし、次の手順で計画表を作成していきます。
1.資金運用計画表の作成手順
資金運用計画表は次の手順で作成します。
@ 固定資金の使途(使い道)を計画する。
A 固定資金の源泉(調達方法)を計画する。
(固定資金余裕がでるように計画する。もしでないときは、@・Aを再計画)
B 運転資金の使途(使い道)を計画する。
C 運転資金の源泉(調達方法)を計画する。
(期末現金流動預金がでるように計画する。もしでないときは、@から再計画)
2.固定資金の使途の計画
固定資金の使途を計画します。
3.固定資金の源泉の計画
固定資金の使途を、どう調達するかを計画します。
@ 期首現金流動預金は、バランスシートから(直前期・現金流動預金)を転記します。
A 当期経常利益は、経常利益目標額を転記します。
B 当期減価償却費には、減価償却目標額を転記します。
C 前期予定納税を記入します。
4.固定資金余裕の計画
固定資金の使途と源泉のバランスを取るには、次のようなことを検討します。
@ 設備投資を中止する。
A 中間決算をし、当期予定納税を少なくする。
B 長期借入金返済の期間を延長し、年間返済額を少なくする。
5.運転資金の使途の計画
@ 受取手形増加は、受取手形回転期間の計算式を使います。
A 売掛金増加は、売掛金回転期間の計算式を使います。
B 棚卸資産増加は、棚卸資産回転期間の計算式を使います。
運転資金の使途を、少なくするには、次のようなことを検討して下さい。
@ お客様へお願いして、回収期間を短くしてもらう。
A 新規のお客様の回収条件を、既存お客様より短く設定する。
B 期末残高を設定し、在庫管理を徹底し、回転を上げる。
C 銀行との付き合いである定期預金・定期積金の削減をする。
D 短期借入金を長期借入金に振り替える。
E 契約している保険について、保証内容を確認し、自社の現状と照らし、適正なものか否かの検討を行う。
6.運転資金の源泉の計画
@ 固定資金余裕は、固定資金の使途の欄より、転記して下さい。
A 支払手形増加は、支払手形回転期間の計算式を使います。
B 買掛金増加は、買掛金回転期間の計算式を使います。
C 割引手形増加は、受取手形増加額の8割を目安とします。受け取った手形すべてが割引できるとは限らないからです。
D 短期借入金増加は、資金の源泉の最後の調整です。
7.期末現金流動預金の計算
期末現金流動預金は、源泉合計から使途を引いて求めます。
経常利益を、増やすために、売上を上げれば、上げるほど、運転資金は足りなくなります。
源泉の回転期間の延長と使途の回転期間の短縮に努めてください。
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経営計画書とは |
- 経営計画書とは、将来の「あるべき姿(目標)」に到達するために、今何をするべきかを示してくれる「道しるべ」のようなものです。道しるべがなければいくら大きな目標を掲げても、目標には到達できません。では、目標地点にたどり着くにはどうしたらいいのでしょうか?それは明かりを灯せばいいのです。その明かりとなるのが経営計画書です。
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経営計画書は何故必要か |
- 現代の中小企業経営は、企業を取り巻く環境の変化により、物は売れず、取引先からは納品単価の引下げを要請されるなど、厳しい競争社会の波にさらされています。そんな中、将来の見通しも立てず、今までのような感覚のみに頼った経営を続けていきますと、業績は益々悪化し、設備投資はおろか、借入金の返済もおぼつかなくなり、給与さえろくに払えない状況になってしまいます。また、赤字が続きますと、金融機関からも見放され、ますます苦境に陥ってしまうでしょう。
そんなことにならないためには、きちんと計画を立てて経営をすること、これこそが今、経営者に求められていることなのです。
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