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会社の利益を上げる経営計画書の作り方
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STEP 3 [利益計画の作成]

 
第2ステップが終わり、現在、会社がどのような状態にあるかが確認でき、目標地点とスタート地点が見えてきました。では、この第3ステップではスタート地点から目標地点までどのような道筋で進んでいけば良いのか、その道筋を見ていきましょう。

それでは具体的に目標の数字を決めましょう。まずは利益計画の作成です。

利益計画の作成は、次の手順で行い、それぞれの目標欄を埋めていきます。

 

1.経常利益の計画(目標経常利益の決定)

 
まず、目標経常利益の計画を立てます。目標経常利益を決定する際の考え方ですが、「利益は経営をした結果出てきたもの」という考え方ではなく、「利益はこのくらい欲しいと予め見積もって確保するもの」という前向きで、かつ、計画的な考え方に基づいて決定してください。具体的には、次のような点を考慮して決定することになります。
@ 一人当たり「いくら」という基準を考える。
A 過去2〜3期の実績数字が、黒字であれば、推移から見込む。
B 過去2〜3期の実績数字が、赤字であれば、赤字累積を埋める。
C 損益分岐点から見込む。

 

2.目標損益計算書の作成

 
目標経常利益が決まりましたら、利益計画を作る基本である目標損益計算書を作成しましょう。

手順は次のとおりです。
@ 固定費の計画
固定費の計画を立てます。固定費とは、たとえ売上はゼロでも、払っていかなければならない費用のことです。
大きく分けると、人件費・賃借料・租税公課・減価償却費・その他の経費に分かれます。
注意すべき点は、やや多めの数字で計画するということです。「少なく計画して、多い実績だった」というのでは、困ります。

T.人件費の計画
人件費には、役員給与・社員給料・賞与・退職金・法定福利費・福利厚生費など、人に直接払われる費用のすべてを計上します。
正社員・パート・アルバイトに拘らず、すべて計上してください。
具体的な金額は、次のようにして立てます。
@. 社員一人一人の金額をきめて、合算する。
A. 過去2〜3期の上昇率推移で総額をきめる(一律総額3%アップとか)。新規採用分・退職者分は別枠にして、あとでプラス・マイナスする。
B. 社員数を決め、過去2〜3期の一人当たり人件費×社員数で考える(新規採用分・退職者分はAと同じ)。

U.減価償却費の計画
減価償却費とは、固定資産(建物・設備装置など)の取得原価を耐用年数で費用化するものです。減価償却費は、金銭の支出のない費用ですから、資金計画に連動させるため独立して表示します。
具体的な金額を計算する場合は、過去の申告書類の中に「減価償却資産の償却額の計算に関する明細書」がありますので、それを参考にしてください。
ただし、今期において新たな設備投資の予定がある場合には、それも加味してください。
 
V.租税公課の計画
租税公課の金額は過去の金額を参考に記入してください。
 
W.その他の経費の計画
その他の経費には、未来経費と一般経費が存在します。
未来経費には、将来、会社に利益をもたらすために必要な経費を計上します。例えば、教育研修費・広告宣伝費・研究開発費・コンサルタント顧問料などです。予算を大枠で決めてください。
一般経費には、通常の経費科目を計上します。例えば、会議費・旅費交通費・交際費・事務消耗品費・水道光熱費・雑費などです。
具体的な金額は、次のように求めます。
@.物価上昇率などを考慮して、過去2〜3期の推移で、総額を前期の何%アップとする
A.一つ、一つの科目ごとに計算して、合算する。
 
A 営業外損益の計画
営業外損益には、営業外収益と営業外費用とがあります。
営業外収益には、本業以外の特別な収入(受取利息・雑収入など)を計上し、営業外費用には、金融機関からの借入れの利息などを記入します。
明細がわからない場合は、前年度と同じ数字を記入してください。

B 営業利益の計算
営業利益は、経常利益+営業外損益(営業外費用−営業外収益)で求めます。
 
C 必要売上総利益の計算
必要売上総利益を計算します。計算式は、営業利益+固定費です。
 
D 必達売上高の計算
必達売上高を求めるにはまず、売上総利益率を設定します。
設定の方法は次のようなことを参考にします。
T.過去2〜3期の実績で決める
U.新たに目標設定する
次に必達売上高を計算します。計算式は、売上総利益÷売上総利益率です。
これで目標利益を達成するために必要な売上高が明確になりました。
 
E 変動費の計算
変動費とは、売上高の増減に比例して増えたり減ったりする費用のことを言います。
たとえば、商品の仕入原価や、製品を作るための原材料費、外注費などが該当します。
また、業種、業態により大きく変化しますので検討が必要な項目となります。
具体的な計算方法は、次のようにして求めます。
T.過去2〜3期の実績で決める。
U.新たに率を設定する。 
 
F 売上原価の計算
売上原価は次の方法により求めます。
売上高−売上総利益